空港でトイレにこもっているとき、放送でぼくの名前が呼び出された気がした。一瞬ぎょっとしたけれど、ぼくの名前は比較的よくある名前だし、何よりもフライトまではまだ1時間半もある。呼び出される理由なんてない。でも、ロビーに座って本でも読もうと思った瞬間、また俺の名前がコールされる。「ええと、いま呼び出されたんですけど」とカウンターに出向くと、「本日はビジネスをご用意いたしましたので、そちらへ」という驚愕のオファー!なんでもエコノミーが満席で、よく分からないけどダブルブッキングだったのかも。理由も聞かず、いかにも慣れているかのように「ああ、そうですか」とだけ答えて代わりのチケットを受け取る。
人生二度目のビジネスクラス。結論から言うと、何あの格差社会?!って感じです。まず座席が広いので、足が伸ばし放題。背もたれは極限まで倒すことができる。つまり、飛行機にいながらあたかも自宅のベッドのように身を横たえることができる。Aからは様付けで呼ばれる。食事は普通においしいといえるレベル。前菜からしてオサレ。メインもホタテとかフィレ肉とか。ワインも上等のが出てくるし、CAの気遣いもエコノミーのそれとは格段に違う。なくなりかけるとすかさず注いでくれる。おかげさまでひとりでボトル1本は空けたと思う。さすがにお腹一杯になったのでデザートはパスし、食後酒にコアントローを頼む。座席にはコンセントもついているので、数時間は仕事に没頭することもできた。パリに到着して席を立ったときに気づいたのだが、後ろの席に座っていたのは俳優の奥田詠二。渋かった。
というわけで、比較的興奮しながらのパリ到着となりました。パリの宿はモンパルナス界隈にとる。夜はパリ在住の後輩とその友人と合流し、映画館近くのレストランで羊のローストを食べる。そこそこうまかった。